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早瀬真人の崖っぷち日記
官能小説家、早瀬真人のブログです。官能小説、近況報告、日々雑言などなど、ゆるりゆるりとアップしていきたいと思います。
そうだ。山下達郎に会いにいこう
洗練されたサウンドで、その人気と地位を確立した山下達郎。
学生時代はサザンと人気を二分していましたが、
彼はその頃からまったくブラウン管には登場しなかったんです。
どんな人なのか、会いてぇなと思っていたところ、
ミュージシャンを目指していた先輩の飲み会で、
達郎と仕事をしているという
音楽ディレクターの人と知り合いました。

ずっと一緒さずっと一緒さ
(2008/03/12)
山下達郎

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私「達郎さん、紹介してくださいよ」
デ「いきなりそう言われてもね。君は音楽やってるの?」
私「え? は、はい。バンドを高校時代から」
 (一週間だけの活動)
デ「コピーバンドでしょ?」
私「いえ、僕が作詞作曲しています。
  将来は音楽の道へ進みたいと考えてるんです」
 (真っ赤な大嘘)
デ「そう。デモテープあるんだったら聞かせてよ。
  才能があれば、
  デビューを目指している新人ということで紹介はできるよ」

そのときは音楽ディレクターも私もベロベロに酔っており、
彼は半ば冗談のつもりで言ったんでしょう。
でも当時の私は「考えるよりも行動しろ」を
処世訓にしてましたので、
さっそくギターをかき鳴らし、一夜漬けで曲を作ったあと、
当時のヒット曲の歌詞をバラして繋げ、
デモテープを持って彼の家を訪問しました。
ところがカセットから私の素っ頓狂な声が流れてくると、
彼は目を大きく見開き、徐々に険悪な表情に。
(やべえな。こりゃぶん殴られるんじゃねえのか?)
と、逃げる体勢を用意していたところ、
やがて曲が終わり、彼は呆然と顔を上げました。

デ「君は・・・いったい何をやりたいの?」
私「はぁ。シンガーソングライ・・・」
デ「何 !?」
私「はい。作曲家です」
デ「う~ん。まあ歌はやめたほうがいいよね。
  歌詞もありきたりというか、新鮮味を感じないし。
  曲は・・・まあまあかな」
私「えっ? 曲はいいんですか?」
デ「・・・曲はいいって。
  君は自信作を持ってきたんじゃないのかい?
  もしそうじゃなかったとしたら、
  それは相手に対して大変失礼なことなんだぜ」
私「はい。最高の自信作を持ってまいりました!」
デ「・・・・・・まあいいや。作曲家になりたいなら、
  新たにあと十曲作って持ってきなさい。
  織田哲郎を紹介してあげるから」
私「ありがとうございます!がんばらせていただきます!」

と、逃げるようにその場を後にしたのですが、
(織田哲郎って誰だ? 山下達郎の間違いじゃないのか?
まさかあの人、達郎と哲郎を聞き違えていたんじゃ・・・)
と首を捻るばかり。
織田哲郎がシンガーソングライターだと知ったのは、
それから数年後のこと、ヒット曲を連発してからでした。

結局そのディレクターさんともそれっきりで、
いい人生勉強にはなりましたが、
忙しい中、大変失礼なことをしてしまい、
今思い出すと死にたくなるほど恥ずかしくなります。

でも十曲作って持っていったら、
ほんとに織田哲郎を紹介してくれたんでしょうか?
私はただ山下達郎に会いたかっただけなんですけどね。
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