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早瀬真人の崖っぷち日記
官能小説家、早瀬真人のブログです。官能小説、近況報告、日々雑言などなど、ゆるりゆるりとアップしていきたいと思います。
優しいプロレスラーさん
先日、プロレス好きのA編集者と打ち合わせをしているとき、
ふと一人のプロレスラーさんのことを思い出しました。

私がまだ二十代のとき、
漫画家を目指しながら短期のアルバイトをしたことがあって、
そこは室内装飾関連の仕事をしている会社でした。
初日から社員の方と二人で現場仕事へ向かったのですが、
そのときの上司が元プロレスラーの北沢幹之さんでした。

この人
 ↓



会った瞬間、ずいぶんと身体の大きい人だなぁと思ったのですが、
非常に温厚な人で、言葉遣いも丁寧なら、腰もやたら低く、
二十も年下の私に対して、「さん」づけで呼んでくるんです。
北沢さんとはバイト初日から三日間同じ現場だったのですが、
三日とも昼食を御馳走してくれ、ただ恐縮するばかりでした。

北沢さんが元プロレスラーだと知ったのは、そのあと、
八人ぐらいで別の現場に行き、
他のバイトから聞かされたときでしょうか。佐山聡の
デビュー戦の相手だと知ったときはびっくりしたのですが、
さらに驚いたのは、十代のバイトまで「さん」づけで呼び、
その日の昼食代も、すべて北沢さんが払ってくれたんです。

先輩のバイトに問い質すと、
どうやら昼食代はいつも出してくれるとのこと。
子供は五人(だったかな?)いるということで、
あまりの太っ腹ぶりに、バイトの昼食代に年間いくら使ってるのかと、
かなり心配してしまった覚えが・・・。

八丈島へ泊まりがけの仕事に行ったときは、
プロレス界の面白い裏話をたくさん聞かせてくれて、
充実した一週間を過ごしたのですが、
テレビで幼児虐待死のニュースが流れたとき、
「そんなことをするぐらいなら、俺が引き取って育てる!」
と、別人のように怒りを露にしていたのが印象に残っています。

バイトを辞めたあとも、何度か電話をいただき、
「また来てくださいよ」
と誘ってくれたのですが、結局北沢さんとはそれっきり。
A編集者も、彼のプロレス界でのエピソードを知っており、
大いに話が盛り上がりました。
北沢さんには会いたいけど、僕のことはもう覚えてないかな。
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