若い頃、
新宿をふらふら歩いていたら、
キャッチのおっさんに捕まりました。
「千円ポッキリ。飲み放題、食べ放題、
あそこも触り放題だ!」
あるわきゃねーのに、
最後の言葉につられて、
フラフラと暗い怪しげな階段を下りて地下の店へ。
派手な化粧をしたお姉さんがとなりについて、
ビールやらおつまみ類がずらっとテーブルに並べられ、
とりあえず酒を呑んでから!とビールをぐいぐい。
「あなた大学生?」
お姉さんの問いかけに、
私は生ハムメロンを頬張りながら答えました。
「高校生」
「え? ・・・歳いくつなの?」
「16歳」
柔和だったお姉さんの顔が、徐々に険しくなります。
「あの・・・お金持ってるの?」
「うん」
「いくら?」
「千円」
「えっ!?」
しばらく沈黙の時間が流れたあと、
「ちょっとこっちに来てくれる?」
と、お姉さんに手を引かれて奥の通路へ。
(おっ!こりゃ個室で本番か?)
私は股間を突っ張らせながらついていったんですが、
扉が開けられると、そこにはまたもや暗い通路が。
「ここ危ない店だから、今すぐ逃げなさい。
そこの階段昇れば、一階に出れるから」
「え? でもお触りがまだなんですけど・・・・・・」
と言いかけたとたん、
扉は無情にもバタンと閉められてしまいました。
よく考えなくても、そのお姉さん逃がしてくれたんですよね。
ところがそのときの私は、
行き場の失った海綿体の血液が一気に頭に昇り、
これ、ぼったくりじゃねーか!
と、わざわざおっさんのところへ文句を言いにいったのです。
・・・・・・金を一銭も払ってねーのに。
「何、どういうことよ」
苦虫を噛み潰したようなおっさんに経緯を説明すると、
「なんだ。高校生だったのか。大学生かと思ったよ。
んで、女の子に逃がしてもらったのか」
おっさん目を吊り上げると、
そのまま店のほうに戻ってしまいました。
あのお姉さん、怒られたんだろうな。
いや、ほんと世間知らずで申し訳ありませんでした。
お姉さんのおかげで、
その後ぼったくりの被害に会うことは一度もなかったですよ。
ありがとーございました。
新宿をふらふら歩いていたら、
キャッチのおっさんに捕まりました。
「千円ポッキリ。飲み放題、食べ放題、
あそこも触り放題だ!」
あるわきゃねーのに、
最後の言葉につられて、
フラフラと暗い怪しげな階段を下りて地下の店へ。
派手な化粧をしたお姉さんがとなりについて、
ビールやらおつまみ類がずらっとテーブルに並べられ、
とりあえず酒を呑んでから!とビールをぐいぐい。
「あなた大学生?」
お姉さんの問いかけに、
私は生ハムメロンを頬張りながら答えました。
「高校生」
「え? ・・・歳いくつなの?」
「16歳」
柔和だったお姉さんの顔が、徐々に険しくなります。
「あの・・・お金持ってるの?」
「うん」
「いくら?」
「千円」
「えっ!?」
しばらく沈黙の時間が流れたあと、
「ちょっとこっちに来てくれる?」
と、お姉さんに手を引かれて奥の通路へ。
(おっ!こりゃ個室で本番か?)
私は股間を突っ張らせながらついていったんですが、
扉が開けられると、そこにはまたもや暗い通路が。
「ここ危ない店だから、今すぐ逃げなさい。
そこの階段昇れば、一階に出れるから」
「え? でもお触りがまだなんですけど・・・・・・」
と言いかけたとたん、
扉は無情にもバタンと閉められてしまいました。
よく考えなくても、そのお姉さん逃がしてくれたんですよね。
ところがそのときの私は、
行き場の失った海綿体の血液が一気に頭に昇り、
これ、ぼったくりじゃねーか!
と、わざわざおっさんのところへ文句を言いにいったのです。
・・・・・・金を一銭も払ってねーのに。
「何、どういうことよ」
苦虫を噛み潰したようなおっさんに経緯を説明すると、
「なんだ。高校生だったのか。大学生かと思ったよ。
んで、女の子に逃がしてもらったのか」
おっさん目を吊り上げると、
そのまま店のほうに戻ってしまいました。
あのお姉さん、怒られたんだろうな。
いや、ほんと世間知らずで申し訳ありませんでした。
お姉さんのおかげで、
その後ぼったくりの被害に会うことは一度もなかったですよ。
ありがとーございました。
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