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早瀬真人の崖っぷち日記
官能小説家、早瀬真人のブログです。官能小説、近況報告、日々雑言などなど、ゆるりゆるりとアップしていきたいと思います。
ぼったくりピンクキャバレーに潜入した日
若い頃、
新宿をふらふら歩いていたら、
キャッチのおっさんに捕まりました。

「千円ポッキリ。飲み放題、食べ放題、
 あそこも触り放題だ!

あるわきゃねーのに、
最後の言葉につられて、
フラフラと暗い怪しげな階段を下りて地下の店へ。

派手な化粧をしたお姉さんがとなりについて、
ビールやらおつまみ類がずらっとテーブルに並べられ、
とりあえず酒を呑んでから!とビールをぐいぐい。

「あなた大学生?」
お姉さんの問いかけに、
私は生ハムメロンを頬張りながら答えました。
「高校生」
「え? ・・・歳いくつなの?」
「16歳」

柔和だったお姉さんの顔が、徐々に険しくなります。
「あの・・・お金持ってるの?」
「うん」
「いくら?」
「千円」
えっ!?

しばらく沈黙の時間が流れたあと、
「ちょっとこっちに来てくれる?」
と、お姉さんに手を引かれて奥の通路へ。

(おっ!こりゃ個室で本番か?)
私は股間を突っ張らせながらついていったんですが、
扉が開けられると、そこにはまたもや暗い通路が。
「ここ危ない店だから、今すぐ逃げなさい。
 そこの階段昇れば、一階に出れるから」
「え? でもお触りがまだなんですけど・・・・・・」
と言いかけたとたん、
扉は無情にもバタンと閉められてしまいました。

よく考えなくても、そのお姉さん逃がしてくれたんですよね。
ところがそのときの私は、
行き場の失った海綿体の血液が一気に頭に昇り、
これ、ぼったくりじゃねーか!
と、わざわざおっさんのところへ文句を言いにいったのです。
・・・・・・金を一銭も払ってねーのに。

「何、どういうことよ」
苦虫を噛み潰したようなおっさんに経緯を説明すると、
「なんだ。高校生だったのか。大学生かと思ったよ。
んで、女の子に逃がしてもらったのか」
おっさん目を吊り上げると、
そのまま店のほうに戻ってしまいました。

あのお姉さん、怒られたんだろうな。
いや、ほんと世間知らずで申し訳ありませんでした。
お姉さんのおかげで、
その後ぼったくりの被害に会うことは一度もなかったですよ。
ありがとーございました。
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