9月21日（土）発売の
特選小説11月号に短編読切、
「昭和宵待草〜豊熟夫人〜」
が掲載されました。



「呑み、打つ、買う」は、
男の甲斐性なんて言われていた昭和の時代。
昔は、無茶苦茶なことをしている親父たちがたくさんいました。
友だちの家には、おじいちゃんと本妻のおばあちゃんの他に
妾のおばあちゃんが二人も一つ屋根の下に住んでいて、
遊びにいくたびに、家族中で大喧嘩をしてるんです。
友だちの部屋におばあちゃんが泣きながら飛びこんでくる光景を、
当時中学生の僕は呆然と見つめていました。
困惑げな友だちの顔が今でも忘れられません。

本作の主人公は妾の少年。
実母が病死し、高校を卒業するまでの半年間だけ、
父の家に世話になるというお話です。
本家には子供の出来なかった本妻がいます。
怖い存在のはずなのに、
しっとりとした風情に惹かれた少年は青い欲望を膨らませ……。

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